Speedy Patent Examination

METI Minister Emphasizes Speedy Patent Examination: 二階経済産業大臣が特許の早期審査を強調:記者会見(18 Oct. 2008)にて
弁理士 佐成 重範 Google検索 SANARI PATENT
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 昨日の経済産業大臣定例記者会見において、二階経済産業大臣は次のように述べている(SANARI PATENT要約)。

 特許庁の問題について、今月1日から、従来の早期審査よりも早く審査するスーパー早期審査制度をテストケースとして開始したが、本日(18 Oct. 2008)、この制度による第1号の特許を認める連絡をその出願人に行う予定である。この特許の内容は、飲料水や排水に含まれるヒ素など有毒金属の検出方法で、慶応大学大学院学生・山田大介氏の卒業研究の成果と聞いている。

 本件は、通常の早期審査でも申請から平均2か月を要するが、17日間で審査を完了した。今後とも、スーパー早期審査制度の有効活用によりイノベーションが大きく進展することを期待する。特許庁の職員は日夜、特許審査のスピードアップについて研鑽に励んでいるが、私としても特許行政の推進に今後あらゆる工夫を凝らして大いに支援したい。

 小泉内閣のときに私は、当時の総理に進言して、ぜひ特許庁を総理が見て欲しいと勧め、特許庁始まって以来のことであるがロボットなど先端科学の様相を総理が実見して深く感銘した。記者各位も特許について一層注目されたい。私どもも、特許の状況を一般の皆さんに分かり易く迅速に広報するよう努める。

SANARI PATENT所見
 小泉内閣において内閣知財戦略本部も発足したが、二階現経済産業大臣の起動力も大であったと改めて認識する。特許審査の速度についても、その発明内容のイノベーションにおける意義に対応する選別が行われるべきで、特に慶応大学院生の申請が対象になったことは、環境・資源回収の両面で、現下最も要請されるイノベーション課題に即応するものである。SANARI PATENTが蛇足を加えれば、その出願書が大学院生自身によって迅速に作成されたか、また極力分かり易く記述されていたかに注目すべきである。
 特許文書の平易な記述は、内閣知財戦略本部が重ねて強調してきたが、この方は精確な表現の必要性との兼ね合いもあって、なかなか進まない。しかし、経済産業大臣が記者達に活発な特許報道を要請する以上、努力を更に継続すべきである。ただし、会見の席上、本件について記者側からの質問はなかったようである。
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