Oil Price Prospects by METI Minister

Oil Price Prospects by METI Minister: 原油価格について二階経済産業大臣の記者会見応答(Sept.16, 2008)
弁理士 佐成 重範 Google検索 SANARI PATENT
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 代替エネルギー開発の経済効果は、原油価格の動向に依存する。その意味で、経済産業大臣の所見を考察する。

1. 原油価格の動向と経済産業関連行政
1-1 質疑
先週末来、米国の金融システム不安と表裏して、原油価格が1バレル1000ドルを割り込み、かなり急ピッチで下げ始めていること自体については、日本経済にとっては比較的明るいニュースかと思うが、一方、OPECの中では、価格が下がり過ぎているので今後また減産しようとかいう話もあり、このまま一本調子で原油価格が安定に向かうか予断を許さないと思う。年末にかけて産油国と消費国の対話の機会もあると思うが、いまの原油価格の動向と、価格安定化に向けた今後の対応、取組方針はどうか。
1-2 応答
1-2-1 久々に原油価格が値下がりしたことについては、わが国経済・国民生活にとって久々に明るい話題であるが、このままの状況で推移するかどうか、もう少し慎重に見極める必要がある。卸売価格をどのように設定するかは、石油元売り各社の経営判断によるが、経済産業省としては、引続き石油製品の価格や需給動向を十分監視してゆく。
1-2-2 卸価格の決定方法の見直しに当たっては、万一、一方的な押し付けなど競争政策上不適切な行為が疑われる場合には、公取と連携して速やかに対応する。
1-2-3 OPECにはOPECの事情があって、恐らく予想を超えた値下がりの推移を見て、色々なことが言われている。私は、原油の価格についてOPECが一方的にコントロールすることは、国際社会の納得が得られるものではなく、わが国としては、このことについては国際社会とも十分連携して、わが国の立場をもっと強く主張してゆかなければならない。同時に、産消対話についても、更に積極的に関係各国との連携を深めて対応したい。

2. SANARI PATENT所見
  「関係各国との連携」について、原油価格変動が各国の国内事情と行政需要に及ぼす影響の多様性を十分に把握する必要を認識しなければならない。今次原油価格下落に先立つ高価格時点で、例えば米国では州ごとの電力価格変動に多様な差異が見られ、また発電資源の相違による電力供給業者の利得の格差が極めて顕著であった(参考:Business Week Aug.4, 2008. P.022~024)。今次値下がりの反応敏感度その態様を、わが国と対比することが必要である。
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