TOTO vs. JSGC(INAX+TOSTEM)

TOTO vs. JSGC(INAX+TOSTEM): 新興国のビル・マンションに日本先端技術トイレ、バスルーム、キッチンセットの進出好機
弁理士 佐成 重範 Google検索 SANARI PATENT
別サイト http://sanaripatent.blogspot.com/ OSGの微細ダイヤモンドコーティング技術(20080802記事)
別サイト http://sanaripat.exblog.jp コマツHybrid Systemのエネルギー変換新技術(20080801記事)

 住宅着工の落ち込みで関連業界の国内業績も伸長し難い現況であるが、新興国・資源国の中核都市ビルや高所得層における先端技術トイレ、バスルーム、キッチンセットへの需要が高まることは必然的であるから、わが国のこの分野における世界トップ技術と生産余力を海外市場拡大のため発揮できる好機とも考えられる。

 株式会社住生活グル−プ(JSGC)は、本年3月期の年度売上高1兆1038億円に達し、本年4〜6月期の四半期売上高も2443億円を計上しているが、「生産・間接部門を担うタイ、中国、ベトナムなどへの海外移転を更に加速させる。海外工場への投資にとどまらず、海外での販路拡大や既存事業・新規事業での規模拡大、収益性向上など、新たなシナジーを生み出すことができる分野に対して積極的に投資し、より強い企業グル−プを目指し、更にM&Aによる業界再編にも関わってゆく」と述べている。
 TOTOは本年4〜6月期の四半期売上高1103億円を計上しているが、「海外では、グローバル5極体制(日本、米国、中国、アジア・オセアニア、欧州)構築に向けて、ドイツに欧州事業統括会社を設立するなど、各拠点での需要獲得と基盤整備に取組み、中国を中心に(日本を除き)堅調に推移している」と述べている。

 TOTOは本年、創立91周年を迎えたが、TOTO単一ブランドを米国・中国の高級品市場において既に定着させ、100周年には上記5極においてグローバルTOTOブランドを確立する。JSGCは、INAXおよびトステムを始めとする傘下企業のブランドが示す各領域の先端性を総合してシナジー効果を海外展開に発揮する。

 特許開発はいずれも活発で、例えばINAXについては、今年度に入ってからのみでも60件(20080401~20080731)の特許公開を数える。例えば
(1) 吐水ヘッド引出式水栓装置(公開日2008-7-31)
(2) 人体検知センサーも一体的に組込むことができる便蓋(公開日2008071)
(3) 仕様変更容易な浴室構造(公開日20080724)
 
  TOTO現代社会に即実益するイノベーションとしては、極めて身近であるが、「公京空間のユニバーサルデザイン」(水まわりの新たな空間提案)が、グローバルに通用するものと考える。
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