Isetan/Mitsukoshi as Two Service Brands

Mitsukoshi-Isetan as a Company Brand, Isetan/Mitsukoshi as Two Service Brands: 伊勢丹の華麗な今次事業報告書
弁理士 佐成 重範 Google検索 SANARI PATENT
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 伊勢丹の今次事業報告書(20070401~20080331)が届いた。小売業界の構造改革が急速で、「三越伊勢丹HD事業報告」を期待した向きが多かったと思うが、従来の株式会社・伊勢丹としての最終事業報告書として、保存すべき力作である。

 経営統合については、次のように述べている。
「最後になりましたが、株式会社・三越との経営統合につきましては、昨年11月20日開催の臨時株主総会におきまして、株式移転により完全親会社トなる株式会社・三越伊勢丹ホールディングスを設立する件」として、株主様よりご承認を頂戴いたしました。」
「その後、本年4月1日をもちまして、当社は株式会社・三越経営統合いたしましたが、今後は、両社が協働してサプライチェーン改革に取組むと共に、両社が持つ経営資源を最大限に活用することで、持続的・永続的な企業価値の向上を図ってまいる所存でございます。」
「さらに、株式会社・三越伊勢丹ホールディングスの株主様には、当企業集団が世界随一の小売サービス業グル−プを目指すことで、提供価値を高めてまいることができると考えております。」
「なお、平成22年春に予定しております両社のシステム統合に向けて、両社のシステム子会社を再編してまいります。」

 株主の立場としては、上記を再読して株主としての地位を再理解するが、知財専門家の立場としては、「三越伊勢丹」という企業ブランドと、「伊勢丹」および「三越」という二つのサービスブランドが新たに誕生してと理解することもできる。
 投資家の立場としては、野村証券東洋経済会社四季報の最新版が、次のように辛口の記述をしていることにも関心が持たれる。
「株式会社・三越伊勢丹ホールディングスは、2008年4月に百貨店大手の三越伊勢丹経営統合して設立された純粋持株会社。百貨店首位。新宿中心に伊勢丹好調。赤字の小倉伊勢丹を連結除外。が、三越が名古屋専門店の契約高変更で売上高165億円目減りのうえ、全店低調。伊勢丹改装費、システム費増も足引く。」
「2013年度目標営業利益750億円は、伊勢丹流改革による三越の改善が絶対命題。7月両社情報システム子会社統合、インフラ整備で統合効果の早期発現を狙う。」

 SANARI PATENT至近距離の伊勢丹本店については、メトロ(旧称)副都心線の開通に伴う池袋など顧客吸引範囲の拡大、高島屋新宿店(SANARI PATENT注:所在地は渋谷区)との地下街直結、さらにはJR新宿駅周辺の巨大地下開発と立地環境が壮大となり、「毎日が新しいファッション」の発揮によって、サービスブランドと企業ブランドの双方が高揚されうことを期待する。
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