SANARI PATENT フェムトセル

Concepts of Next Generation Network:総務省が「スケ−ラブル、サ−ビス持ち歩き、リアルバ−チャル・シ−ムレスなど」:フェムトセルに注目
弁理士 佐成 重範 sanaripat@nifty.com Web検索SANARI PATENT
別サイト http://patentsanari.cocolog-nifty.com/blog/ 2007.11.21 第一三共のシナジ−効果

総務省・ネットワ−クア−キテクチュア調査研究会報告(2007-8)の「新世代ネットワ−クのコンセプト」は、先日発足した総務省・新世代ネットワ−ク(NGN)推進フォ−ラムのベ−スとなり、知財専門家のネットワ−ク分野知財業務の理念ともなると考えられるので、これを要約・考察する。
なお、日経BPが紹介している「フェムトセル」は、ユ−ザ−が自分の都合に合わせて設置できる通信エリアで、下記2および3のコンセプトに合致する。また、ITProが紹介す付加分散装置は、下記2のコンセプトに適合すると考えられる。

1. ユ−ザ−に優しく、シンプルに使えるネットワ−ク
1-1 要約
老若男女、身体の自由・不自由、使用言語、専門知識の有無に関わらず、誰もが直感的にネットワ−クを使用できるインタフェイスを実現する。すなわち、ユ−ザ−の状況や望みを適切に判断・対応する、「ネットワ−クがユ− 
ザ−に合わせる」という発想を尊重する。
1-2 考察
このコンセプト転換の成否が、わが国の情報通信分野における先進国たる地位確立の成否を決定すると考える。内閣にIT本部がおかれているが、国民のIT格差はむしろ拡大しており、その原因はICTの高度化・多機能化がユ−ザ−フレンドリ−のコンセプトを軽視してきたことである。所得格差の是正も、ICT格差の是正なくしては達成できないという関連を、内閣の本部間で認識しなければならない。例えば、地方のICT技術が中小企業・住民を含めて「優しく」浸透することが、中央に集積した知能を安価・即時に活用できる唯一の 方途である。

2. スケ−ラブルなネットワ−ク
2-1 要約
情報通信機器の多様化や、コンテンツの著増に対応する柔軟かつ低消費電力の「小さいネットワ−ク」を実現する。
2-2 考察
表現は「優しい」が、どういうことを示しているのか、具体的に親切に解説されたい、と思う。

3. サ−ビスを持ち歩けるネットワ−ク
3-1 要約
イユ−ザ−が各自の場所や状況に応じて、使い慣れた操作方法で端末を使用でき、サ−ビスの提供を受けることができるネットワ−クを実現する。
3-2 考察
ケ―タイや小型PCの端末は、このコンセプトに適合してゆくが、特許庁の審査資料(従来技術資料等)を含めて、情報通信情報サプライ側のシステムが整備されないと、「ネットワ−ク」としての「サ−ビスが(現場に)持ち歩ける」にはならない。米国や韓国で、特許庁審査官の在宅・ホテル勤務(米国特許商標庁の用語で、実行進捗中)が実践されているが、わが国は全く未計画である。セキュリティが先行すべきではあるが、米国特許商標庁の実例の検討から始めることを要望する。知財専門家の地方分散にも適合する。

4.止まらないネットワ−ク

  • 4-1 要約

既存の電気・水道などの社会インフラと同等の信頼性・セキュリティをもつ、「止まらないネットワ−ク」を実現する。
4-2 考察
わが国60歳以上のPC利用者が6人の1人であるなど、電気・水道に遥かに及ばない社会インフラぶりであることが先ず問題である。

5.リアルとバ−チャルがシ−ムレスに繋がるネットワ−ク
5-1 要約
センサ−やディスプレイの進歩により、ネットワ−クの仲立ちを意識せず、直接相手と接しているように感じるなど、リアルな世界とバ−チュアルな世界がシ−ムレスに繋がったコミュニケ−ション形態が出現する。
5-2 考察
リアルとバ−チャルがシ−ムレスに繋がることによる社会的経済的問題の発生の有無を先ず検討すべきである。「ネットワ−クの仲立ちを意識しない」人的接触は、レレビ会議の慣用から(すなわち、現在でも可能な局面から)習熟すべいであるが、知財高裁設立の際に国会で答弁された地方知財訴訟のてテレビ会議方式も、活用の例を聴かない。

5.未来を予測するネットワ−ク
5-1 要約
センサ−ネットワ−クからの情報や、ネットワ−ク上に蓄えられた知識・経験から、ユ−ザ−の行動を予想し、サポ−トする。
6-2 考察
そのプログラムを創造・保護・活用する段取りが必要である。
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