SANARI PATENT リアル・バ−チュアル融合

Developing Ubiquitous Network: Ubiquitous World by Real-Virtual Fusion:リアル・バ−チャル融合における知財開発の態様
弁理士 佐成 重範 sanaripat@nifty.com Web検索SANARI PATENT
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  総務省の報告(2007-6)は「ユビキタスネットワ−クの普及によるリアルとバ−チャルの融合により」と表現しているが、逆に、「リアルとバ−チャルの融合によりユビキタスネットワ−クが普及し」とすべきであろう。いずれにせよ、リアルを現実、バ−チャルを仮想と直訳して別世界と概念していると、両世界の融合が自覚しない間に進捗していて、利便とリスクの双方を看過する結果となる。知財専門家は、この融合過程と融合世界利用局面における知財の創造・保護・活用に関与することとなる。
 先ず上記報告を要約・考察する。

1. ユビキタスネットワ−クの進展における問題点
 (要約)
1-1 ユビキタスネットワ−クの普及によるリアルとバ−チャルの融合により、ユビキタス端末から「微小な情報が大量」発信されることになるが、このようなトラフィックは、現在のネットワ−クでは、効率良く伝送することが難しい。
1-2 「街角・建物内等に設置される各種センサ−等のユビキタスアプライアンス」、「人間のバイタルデ―タを収集する機器」等の小型化・高機能化により。ユ−ザ−の行動・状態変動を履歴として記録することが可能になりつつある。ユビキタスネットワ−ク社会においては、これら膨大な数の端末から、人間の直接関与を要することなく、M2M小容量トラフィックが膨大に発生し、ネットワ−クの対応を求める。現在のネットワ−クは、このようなトラフィックを効率良く伝送できない。
1-3 換言すれば、現在のWebは人間が操作して利用するから、ペ−ジ数の増加が人口オ−ダ−であるが、ユビキタスネットワ−ク社会におけるセンサ−とその制御機器は全空間に設置されて自動作動できるから、端末数とトラフィック数は急増する。(SANARI PATENT 注:原文は「爆発的に増加」。)
1-4 リアルとバ−チャルが融合する。高性能デバイスを一般ユ−ザ−も使用できることにより、高精細映像を中心とするバ−チャルリアリティ技術を活用した、超臨場感通信が実現する。また、人間とコンピュ−タのインタフェイスが、五感全てを活用した五感情報通信環境に進化する。ネットワ−ク上のサ−ビスとのインタフェイスも、アバタ−やロボットを活用する。今後は、これらを連携させた発展が期待される。
 (考察)
   ユビキタスネットワ−クの語義は画定されていない。「人間が何処に所在しても、ネットワ−クを利用できる」、すなわち、アクセスポイントの遍在と理解されてきたが、「人間によるアクセスに関係なく」、ネットワ−クシステムが遍在して機能することを意味するに至っている。現在は、その移行初期段階に在る。
リアルとバ−チャルの融合の意味は、技術的、感覚的、社会経済的の各融合の総合として捉えなければならない。特に社会経済的融合は、バ−チャルワ−ルド、例えば、セカンドライフにおけるアバタ−(分身)を介しての行為が、リアルワ−ルドにおける通貨交換請求権に化体すること、民刑事責任の成否・根拠法などの問題を発生するから、知財の形成ににおいて配意を要する。
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ユビキタスネットワ−ク、バ−チャル、アバタ−、トラフィック、M2M