SANARI PATENT 現在ネットワ−クの限界

Problems of Current Network: 「現在ネットワ−クア−キテクチャの限界の超克」、「バ−スト性デ―タ伝送への対応」、「ICTサ−ビスの選択肢」
弁理士 佐成 重範 sanaripat@nifty.com Web検索SANARI PATENT
別サイト http://patentsanari.cocolog-nifty.com/blog/ (農林水産省知財政策)

ネットワ−クア−キテクチャには、「ネットワ−クの伝送機能」と、「アプリケ−ションにより実現される機能」とが含まれる。情報通信のイノベ−ションは両者の融合の高度化が累積または飛躍的に実現することによって展開するから、表裏一体的な課題であるが、検討の方法論としては、「ネットワ−クの伝送機能」から始めることが適切である。先ず、総務省が指摘している課題を要約する。

1. 高機能インタ−ネットサ−ビスによるネットワ−クの複雑化
1-1 現在のインタ−ネットには、次の問題が認識されているが、経済・社会のネットワ−ク依存度が高まるから、安心とサ−ビス選択肢を確保するためには、その解決が必要である。
(1) TCP/IP(Transmission Control Protocol/Internet Protocol)の問題(パケットロス〔SANARI PATENT 注:パケット喪失によるデ―タの誤伝送〕がある環境ではパフォ−マンスが悪化する。)
(2) セキュリティ・QoSの不足(ベストエフォ−トを基本としているため、セキュリティ・QoSへの配慮が不十分)
(3) 社会基盤として、Availability(可用性)(SANARI PATENT 注:システムの壊れ難くさ)が低い(インタ−ネット上のWebサ−ビスでのAvailabilityは93.2〜99.6%程度と言われているが、他の信頼性あるシステムはFour Nine’s以上である)。
(4) 多様な尺度において最適化の余地が多い(現在のインタ−ネットは経路が最適化されていない。公平なコスト負担の仕組みがない。バ−スト性のあるデ―タの伝送に対応できない。)
(5) 新たな技術を検証できない(社会的インフラとして利用されているため、ネットワ−クの大胆な改変やチャレンジングな技術の検証が困難。)
(6) 社会的問題(個人情報流出、ネット上の個人攻撃が、ネットワ−クの匿名性により発生する。)
1-2 更に、ネットワ−クの高機能化・複雑化によって、次の問題が加重される。
(1) ユ−ザ−のサ−ビス需要の高度化・複雑化に伴い、ネットワ−クに対する要求が単なる「高速ネットワ−ク」から「高機能ネットワ−ク」に高まり、これに対応するネットワ−クは複雑化する。
(2) 端末側で行っていた情報処理が、ネットワ−ク中に取り込まれ、Web2.0Ajaxのような、ネットワ−クセントリックなWebアプリケ−ションが出現し始めた。
(3) SaaS等によって、アプリケ−ションとネットワ−クの融合が加速する。
(4) インタ−ネットを拡張し続けてきた現在のネットワ−クトポロジ−では、ネットワ−クの複雑化が昂進し、近い将来、それが原因となって、ネットワ−クの拡張や高度化が限界に達する可能性がある。

2. SANARI PATENT所見
   上記の諸課題を「課題」として、「解決手段」が特許発明されると共に、包括クロスライセンス契約やデファクト国際標準化によるパテントポリシ−の適用局面の現出が予想される。
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インタ−ネット、ネットワ−ク、アプリケ−ション、SaaS、パケットロス