Finance Measures for Small Sized Companies

Urgent Finance Measures for Small Sized Companies with IP:金融危機対策実施におけるバイオ知財等への配慮
弁理士 佐成 重範 Google検索 SANARI PATENT
Hub Site http://sanaripatent.blogspot.com/

 二階経済産業大臣が年末にかけての対中小企業・緊急信用保証制度を示したが(http://sanaripat.exblog.jp 22 Oct. 2008記事ご参照)、知的財産の見地から気になる点を2点、SANARI PATENTがマスコミ報道から得た所見として述べる。知財専門家の立場では、価値高い知財を開発している中小企業の金融的命運が心配である。

1. 消費者金融依存中小企業の金融危機
ダイヤモンド誌(13 Sept 2008)「貸金業法改正の副作用で資金繰り難に直面する中小企業」(東京情報大学・堂下 浩・准教授)によれば、多重債務者救済のための貸金業法改正が、中小企業の倒産を増加させる危惧がある。個人名義の日本ローンを事業資金に流用している経営者が少なくないからである。
 上限金利が20%に引き下げられることを見越した貸金業者は、与信基準の厳格化を進め、資金供与量が急減している。
 零細企業・小規模企業(SANARI PATENT注:中小企業のうち更に小規模な企業)の最近1年間の資金調達先を「経常資金」と「つなぎ資金」に分けて集計すると、銀行が39%、消費者金融が34%、つなぎ資金では消費者金融が45%、親族・知人が31%である。
 銀行や信用金庫も、融資先の消費者金融利用の実態を知っており、延滞を怖れて融資に慎重になっている。

2. バイオベンチャーの苦境
 日経ビジネス誌)29 Sept. 2008)「瀬戸際バイオは日本の病」において「甘い経営戦略、技術は実らず」と見出して、次のように述べている(SANARI PATENT要約)。
「1999~2000年にナスダックジャパンが開設され、ジャスダック・ジャパンが店頭市場から衣替えした狙いの一つは、日本系の技術ベンチャーを育て、新産業を育成することであった。市場にも、「技術系企業は世界市場で勝負できる大化けの可能性があると見られた。
 しかし実際には、2000年以降に育った新興企業のほとんどは、国内市場を対象にするサービス系企業のみ。

SANARI PATENT所見
 信用保証の緊急拡充を経済産業大臣自ら金融関係者に説明すると共に、政府資金が銀行の資金回収に役立ってしまっては困るという趣旨の発言をしているようだが、大臣が直接話す相手に、消費者金融評者は含まれるのか、疑問である。
 バイオ中小企業については、生い立ちが多様で一概に論評できないが、懐妊期間が長い業種という特質を、緊急対策においても特段配慮すべきである。
(記事修正のご要求・ご意見は sanaripat@gmail.com に送信下さい)
Finance Measures、バイオベンチャー経済産業大臣消費者金融、信用保証