Chinese Model of Region Prosperity

Chinese Model of Region Prosperity Takes Root in Residents’ Wisdom: 世界に向けて市場を開いた中国の地方都市・義烏(YIWU)の繁栄
弁理士 佐成 重範 Google検索 SANARI PATENT
Hub Site http://sanaripatent.blogspot.com/

 宮崎県知事が東京都などのコンビニに地域産品の陣頭販促を実践している模様がしばしば放映され、好感を持たれてきたが、国内に市場を求めるにとどまらず、世界中からバイヤーが訪れる中国の小都市・義烏(浙江省)が、貧しいサトウキビ農業村落から、いわゆる億万長者多数を輩出する繁栄都市となっている経緯を、今朝のフジテレビが紹介した。

 わが国では観光庁が発足早々であるが、既に義烏は、その産品がグローバルに流通していることから、国外からの観光客も著増して、この面でも国際収入を得ている模様である。わが国の旅行社もツァーを編成しているが、例えば株式会社ビジネス旅行開発は、義烏を次のように紹介している(SANARI PATENT要約)。

(1)  義烏(イーウー)は、上海から南西400kmほどに位置し、都23区ほどの面積だが、中心部(中央区ほどの面積)の全てが巨大な卸売市場に成長し、中国全土から製品・パーツが終結するので、中国国内だけでなく、アジアを中心に世界中からバイヤーが訪れるようになった。(SANARI PATENT注: 上記フジテレビの解説によると、義烏はサトウキビ栽培に依存する貧農村落で、村民は行商をして中国内各地の産品を持ち帰っていたが、村役場と村民が知恵を絞り、持ち帰っていた雑貨等を自作して極めて低コストに生産し、逆に中国各地に販売するようになった。村民挙ってそのような生産・販売に勤しみ、例えば婦人用靴下60円というような超低コストで、贈答品・日用品など全世界の需要を喚起した)。
(2)  義烏の魅力は、完成品・パーツの種類の多さ(家電、玩具、化粧品、寝具、革製品等々)、価格の安さ(工場・卸直営)、ロット単位の小ささである。

日本の100円ショップも仕入元として数年前から義烏を訪れた模様で、横話のその頃の広報には次のように述べている(SANARI PATENT要約)。

(1)  義烏は人口65万人の規模に対して面積が狭く、浙江省の貧困地域に甘んじてきた。しかし改革開放後、軽工業を中心とする産業の振興に励み、「興商建市」(商業によって地域を産業化する)というスローガンのもとで、近隣国有企業の在庫品を集めて卸一部小売の業態を拡大した。
(2)  更に義烏は、「引商建工」(商業から工業への転換)を旨とし、産地化を推進した。海外にも商品城(一部小売の単位)を世界百数十の国に設けている。

SANARI PATENT所見
 中国・韓国・台湾等の新富裕階層の収入規模がわが国中流層のそれを遥かに上回ることは、訪日中韓台観光客の支出ぶりにも窺われているが、秋葉原の電器や大田のアニメ製品などに集中しているようである。ペイリン流の眼鏡デザインに限らず、知財の独自性によって、国内市場よりも海外市場に直結する地域振興が実を挙げ得る環境と考える。
(記事修正のご要求・ご意見は sanaripat@gmail.com に送信下さい)
義烏、浙江省、地域振興、フジテレビ