Opinions on Electricity Charge System

Opinions on Electricity Charge System:電気料金規制の在り方について経済産業事務次官の応答(Sept.22, 2008)
弁理士 佐成 重範 Google検索 SANARI PATENT
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 節電機器の知財開発が目立つ折柄、「東電値上げ圧縮検討」という見出しの朝日新聞報道(Sept.20, 2008)が、エネルギー価格変動に敏感な業界・公衆の関心を集めたが、電気料金あ規制の在り方について、望月経済産業事務次官の記者会見応答の内容(SANARI PATENT要約)を考察する。

1. 燃料費調整制度の見直し
1-1 質疑: 先週金曜日(Sept.19, 2008)に二階経済産業大臣が電力各社の首脳と会談した際に、「電力料金は国民生活に与える影響を踏まえて、需要家の納得がゆく対応策が必要」と発言したが、その際に、今後の電気料金制度の在り方に関連して、現在の燃料費調整制度の見直しも検討する方針を示したようだが、検討の予定と方向性はどうか。
1-2 応答: 
1-2-1 電気料金は公共料金で、特に規制部分について言えば、現下の経済状況や、電気料金が国民生活に与える影響を十分踏まえて、需要側の納得が得られることが必要という一般論を先ず述べた。従って、当面の電気料金改定問題については、そういうことも頭に置いて対応策を検討する必要が電力会社側にもあると要請した。
1-2-2 併せて私どもの側から言えば、その基礎になっている燃料費調整制度については、常に見直す必要があると思っていたが、この制度の発足当初から、幾つかの点で状況が変わっており、それらの点も踏まえて再検討の必要がある。
1-2-3 一番大きな問題として、料金に占める燃料費の比重が非常に高まり、これだけ大きな比重の部分について、ある種の簡便制度として設計された燃料費調整制度の在り方については、行政側としても明確な検討をする必要が高まってきた。従って、なるべく速やかに検討を開始しなければならない。

2. 燃料費調整制度改正のポイント
2-1 質疑: 具体的にどのような点を検討するか。
2-2 応答: あまり結論を先取りして述べるのも如何かと思うが、要は、料金に占める燃料費の比重が非常に大きくなったこと、また短期間に激変することが、元々の設計思想から見ると想定外のところもあり、何らか修正すべき点があるのではないかと感じているので、その辺を含めて幅広い検討を要する。

3. 検討の具体化
3-1-1 質疑: 燃料費調整制度による調整の幅を縮小するか。
3-1-2 応答: 方法は色々考えられ、分析を進めてから手段を考える。
3-2-1 質疑: 検討は経済産業省内部で行うか、有識者会議のようなもので行うか。
3-2-2 応答: 先ず内部で検討する。
3-3-1 質疑: いつごろ結論を出すか。
3-3-2 応答: 問題の深さを見てからでないと分からない。
3-4-1 質疑: 電力会社は値上げ幅を圧縮するとしているようだが、これは、需要側の納得が得られる対応か。
3-4-2 応答: まだ電力会社からの申し出がないので、反応できない。検討開始早々である。

4. SANARI PATENT所見
  電力費が家計や中小企業経費に占める比率は、ガソリン代よりも大きく致命的な場合も多い(電力の非代替性)。高速道路料金の減免が簡単になされるが、電気料金は自動的に電力会社の収支保持に適合して値上げされる印象がある。公衆や中小企業も、電力会社の株主総会で質問権を活発に行使するなど、独占性と行政関与が極めて強く、税金的徴収能力(給電停止)がある電気料金の適正原価について、強力に発言すべきである。
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Electricity Charge System、電気料金、燃料費調整制度、電力会社