Hitachi Chemical’s Intellectual Property Report 2008

Hitachi Chemical’s Intellectual Property Report 2008:リチウムイオン電池用カーボン負極材、液晶ディスプレイ回路表面保護用絶縁ワニス等の好調(対中国など)
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 本年度に入ってからの各業界の業績が注目される中にあって、日立化成の本年度第一四半期(Apr.1~Jun.30, 2008)業績は、対前年度同期比で営業利益18.5%増、経常利益18.8%増、純利益27.8%増と好調を示している。その主な要素(SANARI PATENT要約)としては、
(1)  エレクトロニクス関連製品部門、機能性材料関連部門の主要製品の売上高が拡大した。
(2)  特に半導体材料において、回路平坦化用研磨材料が、半導体モリー市場の拡大と。電子機器の小型化や高性能化に伴う微細配線向け需要増を背景として売上高が伸長した。
(3)  また、ダイシングテープ機能を付加したダイボンディング材料も、フラッシュメモリー市場の拡大を背景として売上高が伸長した。
(4)  多層プリント配線板が、海外では売上を拡大した。
(5)  プリント配線板用銅張積層版が、半導体パッケージ用基板に使用される高耐熱プリント配線板用を中心として売上を拡大した。
(6)  リチウムイオン電池用カーボン負極材は、ノートパソコンおよびケータイ向けの需要拡大により売上を拡大した。
(7)  アルミ電界コンデンサが、風力発電太陽光発電等の用途で拡大した。
(8)  液晶ディスプレイ回路の表面保護用等に使用される電気絶縁用ワニスは、中国を中心とする海外市場の拡大により売上を伸ばした。
(9)  アクリル樹脂が住宅建材塗料の新用途向けに、エポキシ樹脂硬化剤がLED向けに売上を伸ばした。
(10) 電刷子が自動車および風力発電機器向けに、セラミックス関連製品が自動車ウォータポンプ向けに売上を伸ばした。
(11) 自動車部品の内・外装成型品と摩擦材料は、新型車向け採用拡大とタイを中心とするアジア地域の需要増で拡販した。
(12) 粘着フィルム、粉末冶金製品、蓄電池は、用途の拡大と価格改定により売上高を伸ばした。

翻って日立化成の知的財産報告書2008(Aug.2008 発表)(SANARI PATENT要約)は、次のように述べている。
(1)  研究開発の方向性: 「情報通信ディスプレイ」、「環境・エネルギー」、「ライフサイエンス」、「自動車」の4領域に日立化成技術の強みを発揮する。
(2)  研究開発セグメント: 「エレクトロニクス関連セグメント」と「機能性材料関連製品セグメント」のバランスを最適化する。
(3)  ステージ別管理: 研究開発を「探索」「育成」「拡大」「維持」の4ステージに分類し、資源を最適配分する。
(4)  他社との提携
(5)  知財戦略: 収益性・将来性の高い製品・技術を重点テーマとして位置づけ、発明の発掘、特許の権利化を重点的に行うと共に、他社が将来製品化する可能性が高い製品仕様をカバーできる有効特許を、製品・技術分野ごとに最低5件取得することを目標とする。
(6)  特許事務所との間の電子受発注・電子納入システムによる能率化

上記(6)は、国策としての特許戦略上も極めて重要とSANARI PATENTは考える。企業・特許事務所、特許庁の電子事務システムが徹底すれば、わが国全体の知的財産開発能率は著しく向上し、弁理士の中央偏在の弊害も解消し、多岐にわたる専門分野の知見を総合的に利用することが可能となる。
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Hitachi Chemical、日立化成、知的財産報告書、カーボン負極材、フラッシュメモリ