METI Minister Comments on 2008 Commercial White Paper

METI Minister Comments on 2008 Commercial White Paper: 新興国と知識創造拠点重点の2008版通商白書を甘利経済産業大臣がコメント(20080715)
弁理士 佐成 重範 Google検索 SANARI PATENT
別サイト http://sanaripatent.blogspot.com/  eBay がTiffanyに勝訴:オンライン模造品について商標権者の責任(20080716記事)

1. 経済産業大臣定例記者会見で、甘利大臣の解説(SANARI PATENT要約):
1-1 通商白書2008年版では第1に、世界経済の新たな成長の原動力となっている新興国を重点的に分析している。今後わが国経済にとって、所得が向上する資源国を含む新興国市場が益々重要になってくることを指摘している。
1-2 第2に、新興国の中でも、世界の工場から知識創造拠点への高度化、域内処理の活性化等、経済圏としての深化が展望されるアジアを分析している。アジア大市場の発展への道筋と、イノベーションの中核としてのわが国の役割の重要性を指摘している。
1-3 第3に、気候変動、資源、食糧等の地球的課題を解決し、持続的発展のための市場を創造するに当たって、わが国産業に期待される貢献は大きいと指摘している。
1-4 これらを踏まえて経済産業省としては、WTOドーハラウンドの推進、大市場国、新興国とのEPAFTAの検討、アジア経済・環境共同体構想の実現等、対外経済政策を戦略的に推進したい。

2 SANARI PATENT所見
2-1 上記1-4のWTOについては、この会見で次のような質疑応答があった(SANARI PATENT要約)
2-1-1 質疑: 週末のWTO交渉について、見通しはどうか。
2-1-2 応答: 状況は特に大きな変化はないと思う。先進国は先進国としての考え方や、改訂議長テキストについてはブラケットが外れている部分が幾つかある。つまり議長テキストとして確定していった部分があるから、かなり間合いは狭まっていると思うが、まだ閣僚会議で決定しなければならない部分が多々残されている。先進国としては新興著しい国は、それにふさわしい世界貿易に対する責任を果たして欲しいという思いが当然ある(SANARI PATENT所見:知的財産権についての同調も含まれると解する)。一方、途上国としては、まだまだ先進国、経済規模の大きい国がより大きな責任を果たして欲しいという思いがある。それぞれ両方で譲歩しつつ、妥協点を見出してゆきたいが、その繋ぎ役として日本が果たすべき役割は非常に大きい。
2-2 今次通商白書の内容について、知財専門家の立場で特に注目すべき記述項目は次の通りと考える。
2-2-1 わが国がアジアと共に世界経済の持続的発展を先導するための発展戦略
2-2-2 10億人の先進国に加えて40億人の新興国市場への対応
2-2-3 新興国相互の南南貿易、南南投資の深化
2-2-4 わが国輸出は2007年に中国で2割、インド・中東で4割、ロシアで5割伸長したが、各現地では、わが国シェアの確保が達成できていない。
2-2-5 30億人アジアの「価値創造拠点」としての一体化の展望
2-2-6 市場創造のための新たな国際産業構造の構築
2-2-7 課題解決に向けたイノベーションを促進する市場構造の確立
(記事修正のご要求・ご意見は sanaripat@gmail.com に送信下さい)
Commercial White Paper、甘利経済産業大臣WTO、通商白書、南南貿易