Open Innovation by IP

Open Innovation by IP: 特許庁の研究会で三菱電機アステラス製薬デンソー花王トップのメンバーが発言
弁理士 佐成 重範 Google検索 SANARI PATENT
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特許庁イノベーション知財政策に関する研究会・第3回(20080630)が開催されるに先立ち、これまでの議論の一部を要約する。

業界のメンバーは、アステラス製薬・青木初夫会長、デンソー・斎藤明彦会長、花王・後藤卓也会長、三菱電機・野間口 有 会長(この研究会の座長)である。

1. オープンイノベーションについて
オープンソース・ソフトウェアの取組など、知財活用の仕方が変化している。特許が貨幣として機能する。また、上流特許やリサーチツール特許の扱い方が問題になっているが、フェアユースの考え方をビルドインすることにより、知財の独占と共有のバランスを図ることが重要である。

2. グローバリゼーションとボーダレス化
基準認証や相互承認が実現している分野もあるが、特許制度には属地主義が残っているため、国際化が遅れている。WIPOによるデジュールの構築が望ましいが、簡単には実現しない。従って、同様の考え方(SANARI PATENT注:国際標準化について)を持つ国同士でコンソーシアムを形成し、その環を拡げるべきである。特許審査ハイウェイは、相互承認に向けた取組として評価できる。

3. ユーザーサイド
特許庁は、ユーザーがビジネスや研究開発を行い易くするためにはどうあるべきかという、ユーザーサイドからの取組を進めると共に、世界のオピニオンリーダーとして、知財に関する議論をリードすべきである。

4. 南北問題
環境問題で対立が予想される。先進国は途上国に対して資金援助等で」貢献しているが、ODAの一環で行うなど、知財政策を超えた大きな取組の一環として捉えるべきである。

5. 途上国関係
途上国との関係についての解はない。19世紀のパリ条約も、途上国という発想がない時代の制度であり、途上国においては、過去には軍隊によって侵奪され、現在は知財制度によって侵奪されているとの声もある。石油にしても、過去には欧米のメジャーが独占していたが、現在は途上国によってその国有とされている。知財制度についても、先進国の利益確保のみならず、何らかの形で途上国の還元する仕組みを考えるべきである。

6. SANARI PATENT所見
  上記は議論内容の一部に過ぎないが、内閣知財戦略本部においても検討すべき基本的論点を示している。
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