CANON Constructs New Toner Cartridge Plant in Virginia

Global Environment Policy: CANON Constructs New Toner Cartridge Plant in Virginia USA:輸送環境負荷軽減に注目:キャノンの米国トナーカートリッジ新工場棟建設
弁理士 佐成重範 Google検索SANARI PATENT
別サイト http://patentsanari.cocolog-nifty.com/blog 迷惑メール対策衆院審議(2008-5-4記事)

  キャノンは本年9月に、米国バージニア・トナーカートリッジ新工場建築に着工し、来年12月に操業を開始する予定と発表した(2008-5-2)。米国におけるキャノン・トナーカートリッジの需要増に対応するが、キャノンが「輸送環境負荷の軽減」をこの新設計画の理由として特に強調していることは、わが国ないしグローバル企業の世界環境対策の新たな指向を示すものとして注目される。

1. キャノン計画の内容(SANARI PATENT要約)
1-1 キャノンはこのたび、米国Virginiaに在るCANON Virginiaに、トナーカートリッジ生産の新工場棟を建設する。
1-2 キャノンはトナーカートリッジのリサイクルなど、環境問題に早くから取組み、回収されたトナーカートリッジの100%再資源化を達成している。
1-3 一方トナーカートリッジの重要は世界的に増加し、生産拠点の増強を要すると共に、生産ラインの自動化技術の確立により、製品輸送に伴う環境負荷を低減しつつグローバルな需要変動に柔軟に対応できる消費者生産を推進すべき環境が整ってきた。
1-4 このような状況を踏まえ、既にトナーカートリッジの生産やリサイクルの技術を保有し、生産・販売・回収・リサイクルのサイクルをその地域で完結し得るCANON Virginiaに新工場棟を建設することが最適と判断した。
1-5 主要な消費地である北米に立地することは、技術者など優秀な要員確保にも利点がある。
1-6 新工場棟は本年9月に着工、来年12月稼働を目指す。
1-7 新工場の延床面積(竣工時)6万3000平方m、従業員増員数約700人。

2. SANARI PATENT所見
環境問題のグローバル性から、生産・流通のグローバルな立地配分・ワークシェアリングが先ず考えられるべきところ、現状は各国産業の現在立地を前提としてその環境負荷低減を国際協議しようとしている。
輸送環境の負荷軽減は、わが国など、例えば「野菜マイレージ」短縮のため野菜の屋上・近隣工場生産を図るなどの動きもあるが、このたびのキャノン・トナーカートリッジ米国新工場棟建設計画がグローバルな輸送環境負荷軽減への関心を高めることとなれば、その面でも意義深い。