IP Strategy of India

IP Strategy of India:インドの高度成長を支える知財戦略
弁理士 佐成重範 Google検索SANARI PATENT
別サイト http://sanaripatent.blogspot.com/ 米国における著作者不明著作物対策(2008-5-3記事)

 インドは1991年以来、経済改革への取組を本格化し、1990年代を通じて年平均6.6%の経済西洋を実現した。2007年度も、約9%のGDP成長率を達成する。
 現在、インドのGDPは約9063億ドル(2006年度)で、日本・中国に次いでアジア第3位である。

 SANARI PATENTが特に注目するのは、従来のソフトウェア技術人材能力の対欧米・日本等への提供(在外雇用と国内受託)から、インド・タタ社による英国高級自動車ブランドの買収に見るように、日本自動車企業とのインド国内合弁事業による技術吸収を推進ぢていることである。

 技術基盤である人材育成について、インド青少年の数学能力の優秀が知られているが、わが国で著名な数学塾・公文がインドに進出して同国人材の育成に寄与していることは、教育費を惜しまない同国階層の意欲を示している。

 今朝の朝日新聞は、「後発薬 インドが攻勢」と題して、インド企業が日本の製薬中堅メーカーを次々に買収している状況を報じている。SANARI PATENTはここにインド知財戦略の精華を見る。取敢えず同紙の記事を要約しておく。

1. ジェネリック医薬品後発医薬品)(新薬の特許期間経過後に別メーカーが同一有効成分で売り出す医薬品)。日本の市場規模は4400億円程度(2006)で薬剤費の5.7%程度で、量では約17%あるが、米英独では約6割、仏では約4割。(SANARI PATENT注:医療保険制度におけるコスト意識がわが国では欧米に比べて低い結果と、SANARI PATENTは考える。患者も1割負担ではコスト意識が高まらない)の国内市場に、外資が攻勢をかけている。主役はインド企業だ。日本の中堅メーカーを次々買収している。日本政府が医療費を抑えようと、値段の安い後発医薬品の普及倍増に乗り出したからだ。(SANARI PATENT考察:日本の厚生労働省がやっと乗り出したという感がある。ジェネリック医薬品の安全性確保は同省の責務でもあり、それを完遂しつつ医療経済を合理化するのが当然である。「倍増」しても、欧米に遥かに及ばない)。
2. インドは、製薬をITと並ぶ産業の柱に育てようとしている。