著作権管理機構の在り方の重要性

著作権管理機構の重要性
弁理士 佐成重範 Google検索SANARI PATENT

デジタルコンテンツの流通・活用を促進するために、著作権者の保護と著作物利用の迅速を両立させることが最も重要であるが、本日、yomiuri.comが報道した「JASRAC日本音楽著作権協会)に立入検査」は、著作権管理機構の構築に周到な配慮を要することを強く認識させた。
内閣知財戦略本部がこれまで求めてきたバブリックコメントにおいても、JASRAC天下り体質に基づく音楽著作権料取り立ての在り様が、口を極めて非難されてきた。その当否は別として、このような非難が集中してきたこと自体に、JASRACの独占体制、そして、それを形式的には改善しても、実質はほとんど改まることがなかった運用上の問題が、文化庁の指導責任も含めて、問われるべきである。
上記報道によれば、
1. テレビで放送される音楽の使用料をめぐり((SANARI PATENT注:従って、本件は一般国民が楽しむカラオケなどの場合と異なるが、別に、テレビの局面でも問題があったことを示す)、JASRACが放送局との間で同業者の参入を阻害するような契約を結んでいたとして、公取は23日、独禁法違反の疑いでJSRACを立入検査した。
2. 音楽の著作権管理は、2001年の著作権管理事業法施行で新規参入が可能になったが、JASRAC著作権数で圧倒、依然として業界で支配的な地位をしめている。
以下省略するが、独占機構として発足した経緯が、法の建前からさえ独占地位の確保をなし得る仕組みを、ここに詳述する余裕がない。結論だけ述べれば、著作権の管理機構は今後も続々構成されることが、平成20年度内閣知財戦略計画にも予定されるから、その実施については、くれぐれもJASRACの轍を踏まないよう、関係官庁に要望する。

別サイト http://sanaripatent,blogspot.com
別サイト http://patentsanari.cocolog-nifty.com/blog