Investment Risk of Medicine Exploitation

Investment Risk of Medicine Exploitation 医薬品研究開発投資のリスク評価
弁理士 佐成 重範 sanaripat@nifty.com Google検索SANARI PATENT
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1. 医薬品研究開発のリスク評価
  医薬品分野の特性として、研究開発の高リスク性が知財専門家の通念になっているが、新医薬品産業ビジョンはこの問題について次のように述べている。(SANARI PATENT要約)
1-1   医薬品の研究開発には、研究開始から承認取得まで9年から17年の年月を要し、候補化合物でみた成功確率はわずか15,622分の1(0.006%)、1成分あたりの開発費用は、途中で断念した費用も含めて約500億円にのぼる。
1-2   近年における研究費の増減動向については、医薬品産業は、全産業の平均を上回る伸びで増加させている。大手製薬企業について見ると、最近の売上高に対する営業利益率、純利益率、研究開発費の比率の日米欧比較において、日本は営業利益率、純利益率は欧米より低いにもかかわらず、研究開発費の比率は遜色がない。
1-3   一方、1社当たりの研究開発費は、日本は米国と比べて6分の1程度と低く、ここ数年、その差は拡大傾向にあり、日本企業の研究費は絶対額として少ない。日本政府のライフサイエンス関係予算も増加傾向にはあるものの、米国政府のそれの7分の1に過ぎない。
1-4   製薬産業の従業員数に占める研究者の比率は10%を超え、電気機械産業、化学産業に次いで高率である。研究者1人当たり研究費は約4800万円で、製造業中で最高である。
1-5   このように創薬環境の高コスト化が進行し、さらに、創薬のパイプラインが先細る危惧があり、効率的な創薬シ−ズの探索やその開発への橋渡し,および、開発品目の選択における企業の戦略マネジメントの質が問われる局面を迎えている。
1-6   特に、アンメット・メディカル・ニ−ズ(SANARI PATENT 注:何故、このようにカタカナで表現しなければならないのか、不明)に対し、自社独自のシ−ズが生まれにくい状況において、シ−ズを提供するベンチャ−を含む外部企業への投資、連携、M&A等のライセンス戦略(SANARI PATENT 注:ここの表現は明らかに不正確で、「ライセンス」を省けば可)の整備が課題である。
1-7   研究規模や内容によっては、企業が単独で研究開発するより共同することが効率的な場合もある。各企業間で必要に応じ共同研究や提携が行われているが、より多くの企業参加による場合もある。
1-8   特許法改正(2005)により、職務発明制度について、職務発明に対する対価は使用者と従業者等の間の自主的な取決めに委ねられることになった。(SANARI PATENT 注:米国と同様の、当然の体制に近づいたに過ぎないが、この改正の効果について全く言及していないことは適切でない)。
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研究開発費、リスク、創薬職務発明、ベンチャ−