SANARI PATENT AT&TのBell South獲得効果

“Promoting Strategic IP Exploitation Focused on Management” instead of
“Promoting Strategic Management Focused on IP” 　NTT、ＡＴ＆Ｔ、ＮＥＣ、マイクロソフト、オラクル等
弁理士　佐成　重範 sanaripat@nifty.com Web検索SANARI PATENT
別サイト http://patentsanari.cocolog-nifty.com/blog/　2007.11.24. ヒト体細胞由来万能細胞の製作、再生医療・特許性との関係

　わが国特許出願数が世界首位を連続してきたのに、国際競争力や、国民一人当りGDPの順位評価は低下を続けて世界諸国の１０位前後と表示されるが、その相関をどのように理解するか。
　知財立国の成果が、企業の業績向上とGDPの拡大に繋がるべきことに異論はないから、他の評価基準を加えるにしても、Japan as No.1からの乖離傾向は、知財と経営の在り方について示唆するものと考えなければならない。
　その参考事例を、APやnikkei.comなどに見る。

１． NTTとAT&T
1-1 日米の大手通信業者は共に単なるキャリアから大手情報通信業者を志向して、特にNTTの特許開発は活発であるが、本年度中間決算におけるNTTの減益(SANARI PATENT 注：率としては微減益で、来年３月決算では増益と予想されている)とAT&Tの大幅増益が対照的に報道されている。
1-2 「AT&T Reports Mergers Raise Profits」と、先般AP(2007.10.23)が報じたが、次のような内容である。（SANARI PATENT要約）
1-2-1　BellSouth獲得(acquisition)による飛翔効果で(catapulted by)、AT&Aの第３四半期(July through September)の利益(net income)は３１億ドル、前年同期比４２％増を示した。
1-2-2　AT&Tの回線使用契約数は、無線の２百万増を加えて6570万に達したが、アップルのAT&T専用iPhoneが140万販売されたことが寄与している。
1-2-3　デ―タの無線送受信が、ユ−ザ−のメッセ−ジ利便、メディア総合性その他の先端性によって著増し、AT&Tはその新方式をユ−ザ−に推進することによって双方の利益を増し続けている。
1-2-4　AT&Tは、自営のテレビサ−ビス(U-verse)deで優越し、高速インタ−ネットサ−ビス契約数も12万６千に増加した。
1-3 一方、ＮＴＴ三浦社長の説明(2007.11.9)によれば、ＮＴＴグル−プの今次中間決算において営業収入は６１６億円の減収、営業利益は1275億円の減益となったが、これは主としてＮＴＴドコモの決算を反映したものである。
1-3-1　NTTグル−プとしては、顧客第１を基本スタンスとして、次世代ネットワ−クの展開に取組む。そのエリア展開については、来年３月に東京・大阪間のトライアルエリアで商用サ−ビスを開始する。
1-3-2　地上デジタル放送のIP再送信については、放送局からの同意を得た上で東京・大阪から開始する。
1-4　SANARI PATENTの所見としては、NTTグル−プの広汎な知財開発と先端システム構築の活発がコスト増の要因となっているが、いずれも、将来の国際的競争基盤構築とユ−ザ−便益の著増をもたらすものである。

２． マイクロソフト、NEC、ヒュ−レットパッカ−ド、ユニシスの次期DBソフト検証
2-1 上記４社が共同で、次期デ―タベ−スソフトの大規模な検証プロジェクトを開始すると、nikkei.co.jp(2007.11.16)が報じているが、来夏から出荷予定のマイクロソフト次期DB（SQLサ−バ−2008）を対象とするものである。
2-2 マイクロソフトが來夏から出荷予定で開発中の次期DBについて、システム構築に適用する際の問題点の事前検証により普及加速を図るもので、次期ＤＢの国際企業グル−プ間知財競争の展開と解する。
2-3 一方、日本オラクルは、中小企業向けのＤＢソフト新製品を発表した(2007.10.18)。
2-4 マイクロソフトは、上記2-1：ＳＱＬサ−バ−の拡販策として、オラクルからの乗り換えに対して製品価格を大幅値引きする。
2-5 SANARI PATENTの所見としては、次期ＤＢソフトの世界市場シェア競争が、発売に先立つ国際企業連携や価格競争、人材誘引などの総合戦略により展開され、知財戦略・経営戦略一体化の必要を実証するものと考える。
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マイクロソフト、NEC、ヒュ−レットパッカ−ド、ユニシス、ＮＥＣ、オラクル