SANARI PATENT 次世代電気通信の国際標準化

Innovation of Next Generation IP Network ::総務省は、次世代IPネットワ−クから先の「新たなネットワ−クの基本ア−キテクチュァ−」検討段階に
弁理士 佐成 重範 sanaripat@nifty.com Web検索SANARI PATENT
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  本月6月に総務省の「次世代ネットワ−ク推進フォ−ラム」が発足して、次世代IPネットワ−クから先の「新たなネットワ−クの基本ア−キテクチュァ−」に至る検討が業界を糾合して本格化してきた。知財専門家としては、その現実化に必要な知見を蓄積することが必須である。年初来の諸報告によって検討項目を要約・考察する。

1. 欧米イノベ−ションの高速
 (要約)
1-1 わが国で新たに出現しつつあるサ−ビスの多くは、IPネットワ−クの基盤上で提供される「次世代ネットワ−ク」に関する技術である。欧米では更にその先の、新たなネットワ−クの基本ア−キテクユァ−が検討されている。
1-2 米国のPlanet Labは、世界規模(SANARI PATENT 注:30国・340組織)のオ−バ−レイネットワ−クテストベッドである。物理的ネットワ−クではなく、参加組織が提供するPC群により構成されるバ−チャルネットワ−クとして構築されている。オ−バ−レイネットワ−ク実験環境のデファクト国際標準であり、インタ−ネット上に新たなオ−バ−レイネットワ−クを構築する手法によって、次世代インタ−ネットの進化を追及する。
1-3 米国のGENIイニシァティブは、デ―タ・パケット・回路制御の現在のパラダイムを超えて、新たなネ−ムシステム(DNS)の仕組み、識別ア−キテクチュァなど、ネットワ−ク管理のパラダイムを設計している。2013年に至る5年間予算規模3億6741万ドルをもって、インタ−ネットの現状課題を克服しサ−ビスア−キテクチュァを根本的に見直してイノベ−ションを起動することを意図している。
1-4 欧州共同体のフレ−ムワ−クプログラムは、2013年に至る5年間に91億ユ−ロの情報通信分野予算をもって、公募プロジェクトを助成し、そのフィ−ドバックを得ることを主体とし、新世代ネットワ−クのイノベ−ションを推進する。
 (考察)
  上記1-2で、デファクト国際標準化が進んでいることに注目すべきである。   

2. わが国の対応
2-1 意識: 欧米の上記活発な取組から、現在わが国で開発途上の新世代ネットワ−クよりも更に進んだ、新しいネットワ−クア−キテクチュァの出現が予見される。わが国でも早期に取組むことが国際競争力維持のため必要である。
2-2 方策: 
(1) 研究開発プロジェクトの推進(新世代ネットワ−クコンセプトの実現、IP技術の限界打破)
(2) 研究開発推進体制の確立(戦略的研究フォ−ラムの発足、ユ−ザ−要望の反映)
(3) 検証フィ−ルドの整備(研究フェ−ズからサ−ビスフェ−ズへの円滑な移行)
(4) 国際展開・標準化(デファクト標準化を含めて先導的立場を確保)

3. SANARI PATENT所見
   わが国の方策として、上記2-2(4)のデファクト国際標準化の先導が最も重要であるが、その核心は、わが国企業群が新世代ネットワ−クに次ぐネットワ−クイノベ−ションの必須特許を国際的に取得することである。
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新世代ネットワ−ク、IPネットワ−ク、総務省、イノベ−ション