SANARI PATENT 食育基本計画と中食

Background of Patent Auction Market:特許オ−クションビジネスについて独立行政法人工業所有権総合情報館が依託調査した時代の背景
弁理士 佐成 重範 sanaripat@nifty.com Web検索SANARI PATENT
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1. 五年間の経済変動
1-1  標記調査の報告書が提出された2002年から5年経過しているが、改めてこの報告書を読むと、五年間の変動の高速に感銘すると共に、パテントオ−クションの機構が未だ普及したとはいえない現状から、経済社会風土の静止慣性にも感銘する。
1-2  特に報告書冒頭の下記記述(SANARI PATENT要約)は、報告書の古典化と斬新性の双方を感銘させる。
1-2-1 日本経済は長い不況から脱却できない現状である(SANARI PATENT 注:5年前の時点)。マクロ経済指標では一部に改善の兆しが見られるが、企業・家計等の経済主体の景況感は悪化している。
1-2-2 東証1部の企業の3分の2(松下電器・日本ビクタ−・コマツ・NKK・三菱重工などを含む)が株価純資産倍率で1.2倍を下回っている。株価純資産倍率が1倍ということは、市場価格で株式を買占め、資産を簿価で売却できれば、投資が回収できることを意味する。すなわち、多くの企業が貸借対照表に計上していないブランド・特許権・技術などはTOBにより無償で入手できることになる(SANARI PATENT 考察:「計上していない」というよりも、外部からの有償取得資産でない場合、財務諸表表記能力を欠くのである)。
1-2-3 これまで日本経済を支えてきたのは製造業であるが、現在(5年前)の危機的状況を脱するには、製造業の在り方を根本的に変化させ、事業活動の中心を、製造活動から、研究開発活動および販売活動に移すべきである(SANARI PATENT 考察:かなり不十分な発言という印象であるが、英国の最近の経済優位化の理由を、「製造から金融活動等への重点移行」とする現時点の論調もあるけれども、「ものづくり」重視がわが国の国是と考えるし、この報告書の趣旨も、研究開発により付加価値の高い製造への特化を強調したものと解する)。
1-2-4 この報告書のシナリオは、研究開発活動による成長を想定する。販売活動も重要であるが、価値高いブランドは高い技術力に支えられて価値を持つ。
1-2-5 上記シナリオの重要な一環である知的財産の取引ビジネス(特許オ−クション)を、この報告書は課題とする。

2. この報告書の展開に期待
  上記報告書は、鮫島正洋弁護士弁理士渡辺俊公認会計士今井正富士フィルム知的財産部主任技師ほかの業界英才と、特許庁幹部オブザ−バの協働に成るもので、内閣知財戦略本部始め、再読・検討が期待される。
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