Put-off of International Energy Forum

Problems Concerning the Put-off of International Energy Forum: 国際エネルギーフォーラム開催延期に伏在する問題の存否
弁理士 佐成 重範 Google検索 SANARI PATENT
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 原油価格157ドルから63ドルが、乱高下か、157と63のいずれかが本来適正水準か、見方が定着しないままに、国際エネルギーフォーラム延期が発表(30 Oct. 2008)され、望月経済産業事務次官の記者会見(30 Oct. 2008)質疑が活発だったことは、企業戦略・知財戦略への影響の多大性から当然である。以下その内容(SANARI PATENT要約)を考察する。

1. 国際エネルギーフォーラムの経緯と見通し
1-1 質疑: 次官の所見はどうか。
1-2 応答: 洞爺湖サミットで提唱され、11月中に閣僚レベルで開催の準備をしてきたが、世界経済激変、国際政治状況から、各国閣僚の十分な出席が見込めず、当面延期とした。
2. いつ頃になるか
2-1 質疑: 現時点では、いつ頃と見るか。
2-2 応答: 原因が前述の通りで、情勢を見なければならないが、省エネやエネルギー関係新技術について国際的に検討することは重要であるから、適切なタイミングを期している。しかし、現時点では時期の見通しは立っていない。

3. 国際エネルギーフォーラムの内容
3-1 質疑: 当初この国際エネルギーフォーラムは、12月の第2回の英国主催の産消対話に、成果をインプットする位置づけで始まったと思うが、11月が延期になると、次の日程は12月以降になるが、何のためにやるのか、やること自体は変えていないのか。
3-2 応答: 英国で予定の産消対話の目的は、むしろ原油価格を中心としていたが、国際エネルギーフォーラム開催も同意され、結果をインプットして幅広く活用するよう設定されていた。こういう情勢になったので、インプットの機会は、その時点で考え直さなければならない。特に英国の会議を前提にして、これが必須という話ではない。いずれにしても、せっかくG8プラス3でやったものは、各国でも有意義と思うので、そのシェアは必要である。

4. 議長団
4-1 どこかのタイミングでやるということだが、議長団が来年イタリアに代わるが、日本がホストするという位置づけか。越年しても不変か。
4-2 今の時点では日本がホストすることになっているが、来年については相談事である。
5. 原油価格下落の影響
5-1 状況変化の中に、原油価格下落も入っているか。
5-2 そうではなくて、むしろ国際金融情勢等々による多忙である。

6. 省エネ新エネへの影響
6-1 質疑:これだけ経済情勢が悪化すると、余裕もなくなり、省エネ新エネへの投資促進の動機づけが国際的に後退しないか。
6-2 応答: それは逆で、経済情勢悪化を起動した金融問題の根には、引き金を引いた資源価格高騰がある。原油価格60ドル台も、20~30ドルで長期安定していた時点に比べれば倍以上であり、現在の経済苦境の中で立て直しをするには、資源生産性の向上が必須である。従って、省エネは一層必要として省エネ競争になる。それを不要とするほど原油価格が下がったわけではない。

SANARI PATENT所見
 6-2の応答が極めて重要である。しかし、ここでは「省エネ」にのみ言及され、「新エネ」についてコメントしていない。知財専門家がそれぞれ考えるべきである。
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