Tsuguhiko Kadokawa, Chariman & CEO of KADOKAWA Achieves

Tsuguhiko Kadokawa, Chariman & CEO of KADOKAWA Achieves Successful Results in Light Novels (Visual Novels in USA) : 角川歴彦KADOKAWA会長のコンテンツ戦略
弁理士 佐成 重範 Google検索 SANARI PATENT
別サイト http://sanaripatent.blogspot.com/  SQUARE ENIX和田洋一社長の対内閣知財戦略本部調査会意見(20080728記事)
別サイト http://patentsanari.cocolog-nifty.com/blog  ORIXの金融・資本市場発イノベーション(20080728記事)

 角川歴彦KADOKAWA会長(内閣知財戦略本部員)は、7月の同本部・コンテンツ・ブランド調査会会合では、「アニメ・コミック・キャラクターの祭典」として「国際COOL JAPAN コンベンション」の開催検討を提案した。名称も仮称であり、具体化を待ちたい。
 一方、クロスメディアを展開する角川グル-プ自体の事業については、今朝の朝日新でも、「文庫は元祖モバイル」という全面広告が注目されたが、角川の出版事業は特に好調な模様のようである。
 角川グル-プの年次報告は、コンテンツ事業の全国情勢を先ず記載しているので、概観する。

1. 本年3月期の全国コンテンツ業界状況
1-1 出版科学研究所によれば、出版物推定販売金額の前年度比は、雑誌97.1%、書籍96.6%、全体で96.9%で、雑誌は10年連続で前年割れ、書籍も、ベストセラーが出ず、低価格化と相まって2年ぶりにマイナス成長に転じた。
1-2 日本映画製作者連盟によれば、洋画は「スパイダーマン3」や「パイレーツ・オブ・カリビアン・エンド」等が牽引して99.0%という微減にとどまったが、邦画は95.4%、全体で97.3%となった。
1-3 日本映像ソフト協会によれば、DVDソフト出荷額は、超強力作品が揃わず、95.8%となった。
2 角川の対応(SANARI PATENT要約)
2-1 ブロードバンド時代に対応するクロスメディア事業を、出版事業・映像事業に加えて、総合メディア企業を標榜し、グル−プ企業それぞれが収益性の高いオンリーワン企業であることを目指している。ビジネスドメインごとに事業構造改革を推進し、各事業会社の企業価値を向上させている。
2-2 出版事業セグメントでは、多メディア展開の源流となるコンテンツを創出し、映画セグメントは、企画・制作・配給・興行・DVD等のパッケージ販売、テレビへの権利販売など事業の垂直的展開と共に、統合によるスケールメリットシナジー効果を追求している。
2-3 クロスメディアセグメントでは、紙媒体とインターネットの組合せによる情報発信のモデルを強化している。
3 SANARI PATENT所見
「文庫は元祖モバイル」という発想に基づく、「12人の作家達が一年間にわたって月替わりで編集長を務める」という企画が、クロスメディア的かつオープンイノベーション的着想であり、営業成績が文庫セグメントで特に好調であることを納得させる。
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