Development by Becoming Daughter Firm

Development by Becoming Daughter Firm:完全子会社化による発展が多様な業種で:紀文→Kikkoman:エネサーブ大和ハウス
弁理士 佐成 重範 Google検索 SANARI PATENT
別サイト http://sanaripatent.blogspot.com/ 企業買収について経済産業事務次官応答(2008-6-13記事)
別サイト http://patentsanari.cocolog-nifty.com/blog ソニーほかグリーンエネルギー・パートナーシップ設立(2008-6-12記事)

 今次事業報告が様々な業界から届くが、共通要素も幾つか見出だせる。完全子会社化による発展の計画も、その一要素である。

1. 株式会社・紀文フードケミファ東証1部)
  著名百貨店の食品フロアで、紀文の練製品、はんぺん・さつま揚げ類は、味覚・デザイン多様な新商品を続出して、外食・中食へも新規導入し、顧客が選択を楽しんでいる。従って、食材部門の売上高は当期(2007-4-1~2008-3-31)
53億円(前期比2.3%増)、営業利益2億8100万円(5.2%増)となった。
 紀文の今次報告は、キッコーマンの完全子会社化となることについて、次のように述べている(SANARI PATENT要約)。

1-1 紀文は、2008-6-18開催の株主総会承認を条件として、2008-8-1からキッコーマン株式会社の完全子会社となることが予定されている。今後は、両社が持つ経営資源を迅速・効率的に投入できる体制をもって、両社が持つ飲料事業等の機能を強化し、企業価値を向上する。
1-2 すなわち紀文は、大豆・海藻・魚類といった自然の恵みと発酵物を素材として、「抽出技術を核として健食健美を科学する企業を目指してきた。
1-3 一方キッコーマンは、高いクオリティの商品・サービスの提供を企業理念とし、トップブランドであるキッコーマン醤油を始めとして、世界各市場に合わせた開拓・深耕を行っている。
1-4 今後、両者の経営一体化により、共同開発を始め、飲料部門の製造・販売・物流の効率化、バイオ・化成品分野の機能強化を推進する。

2. エネサーブ株式会社(東証1部)
  エネサーブは株主に対する意見表明として、大和ハウス工業株式会社によるエネサーブ株式公開買付について次のように述べている(SANARI PATENT要約)。
2-1 エネサーブは、電力使用のピーク部分を発電により充足することによる電力負荷の平準化を行うことで、電力会社の発電効率向上に寄与すると共に、顧客のエネルギーコスト削減のニーズに応えるため、1984来、業界に先駆けてオンサイト発電事業を立ち上げ、展開してきた。
2-2 しかしながら原油価格の動向から、A重油を燃料とするオンサイト発電事業の継続は困難であると結論し、他の主力事業であるセキュリティ事業(電力設備監視システムなど)および電力小売事業の展開に注力こととした。
2-2 今後は、大和ハウスの省エネ・クリーンエネルギー事業と相乗効果を発揮し、リチウムイオン電池による蓄電システム開発の協業など、新たな領域に相乗展開してゆく。

3. SANARI PATENT所見
  エネサーブと紀文とでは全く無縁のようであるが、油価高騰、大豆エネルギー化、大豆価格高騰、豆乳の市場収縮、重油自家発のコスト高など、経営革新の動因が地下で連なっている感もある。
 上記いずれのケースも、当事会社間の従来の間柄を完全に緊密にするものであり、相乗経営戦略の奏功には疑問の余地がない。
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Kikkoman、紀文、エネサーブ大和ハウス、完全子会社化