NIDEC Success Story from Tiny Factory to

NIDEC Success Story from Tiny Factory to $7~8Billion HDD Motor Sales:日本電産株式会社(東証大証1部、NY)の「零細企業から35年間でHDD用Brushless DC Motor世界首位」M&A戦略
弁理士 佐成 重範 Google検索 SANARI PATEN
別サイト http://patentsanari.cocolog-nifty.com/blog 経済産業事務次官のアフリカ論(2008-5-27記事)

1. 中小企業としての成長と、大企業への成長
1-1 中小企業庁統計では2007年末のわが国中小企業数は342万3231であるが、同庁の「元気なモノ作り中小企業300社」に選ばれている中小企業は、独自の特許権取得により知財価値を高めるなど、優秀中小企業の地歩を築いてきた事例であって、中小企業の意欲を貴揚する貴重な資料であるが、TV東京・昨夜の「カンブリア宮殿」に登場した日本電産株式会社は、1973年、文字通りの零細企業として設立後、35年間のM&A集積等により、独自分野において国際的高占有率の大企業に成長し発展し続ける知財戦略事例である。
1-2 野村証券東洋経済会社四季報によれば、日本電産は、
1-2-1 Brushless DC Motorで有力。HDD用では世界首位(SANARI PATENT注:上記TV東京では、世界デジカメHD駆動モータの75%を供給)。企業買収に積極的。海外比率69%。
1-2-2 HDD Motor、特に精密小型Morter(SANARI PATENT注:ケータイの振動モータなど)、電子光学部品が好調で、最高益更新。連結従業員93,241名(SANARI PATENT注:上記TV東京では13万名)。

2. TV東京の「零細から1兆円企業への35年間」(SANARI PATENT要約)
2-1 現社長・永守重信氏が1973年に4名で民家の一階に設立。少年時に社長の息子のチーズケーキを貰い、社長を志す。工業高校卒。農家の第5男。
2-2 小型モータを製作したが、国内の大企業は相手にせず、渡米して飛込み営業し、米国スリーエム社からカセットテープ用小型モータの受注に成功。
2-3 技術開発を迅速・合理的に行うため、米国企業に倣い、1984年、米国ドリン社の所要部門(ファンモータ部門)を買収。爾後、国内企業の買収による技術と要員の包括的取得に注力するうちに、1990年のバブル崩壊に直面したが、赤字企業の続出は、M&Aを容易にした。
2-4 従って、1992年・日本シーゲート、1993年・真坂電子、1995年・共立マシナリー、シンポ工業、1996年・大三工業、1997年・京利工業、1998年・コバル電子、ビーエヌ・ティ、芝浦電産、1999年・共和ハイテクミネマ、2000年・ワイ・イー・ドライブ、2003年・三協精機製作所(SANARI PATENT注:旧・東証1部で精密機器・オルゴールなど著名)、2007年・トーソク(SANARI PATENT注:現・日本電産トーソク株式会社)、同年・日本サーボに及んだ。日本サーボは2006年の赤字から2007年には日本電産のもとで黒字化した。
2-5 再売却を目的とするM&Aは行わず、リストラなく、社長は元旦午前以外には朝6時50分出勤の無休、

3. SANARI PATENT所見
  M&Aについても、わが国には米国と異なる企業風土があり、これに調和する進め方を根気良く行うことの必要性を示しているが、米国等からわが国中小企業の技術ぐるみM&Aの動きも予てより活発であり、知財戦略全般の見地から、中小企業の在り方を、内閣知財戦略本部が明示するよう要望する。
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M&A日本電産、HDモータ、中小企業、零細企業、小型モータ